るろうに剣心〜明治剣客浪漫譚

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青空はどこまでも高く澄んでいなければならない……


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1997年12月20日〜1998年1月23日までの公開が終わりました。約1カ月の間になんと4回も劇場に足を運びました。(ちなみに前売りは売り方のせこさに負けて7枚買いましたが)過去いくら好きな映画でも4回劇場で見たのはこの映画が初めてです。るろうに剣心という作品が好きというのもあるんでしょうけれども、多分それだけでは4回も見に行けなかったと思います。それだけ何度見ても飽きない作品に仕上がっていたのだと思います。

最初のシーンからもう目が離せない! 剣心の抜刀斎時代(幕末)はアニメでもたまにちょこちょこと動くシーンはありましたが、こんなにもかっこよく見せてくれたのは初めて見ました。設定の段階で抜刀斎がヤケにきちんと描かれているなぁ〜と思っていたんですが、こんな風に出て来るんじゃきちんと設定しとかないと、動かせなかったんでしょうって当たり前か。冒頭の鈴屋の剣戟シーンは質のいい時代劇の殺陣を見ているようで、特に抜刀斎が鍔じり?で切りかかってくる相手の剣を捌くとことか、厳達との勝負が終わった時、自分の刀から血を払うところなどよかったです。何だかとっても大人っぽく見えて「ほんとに十代か?」と疑いたくなりましたね(笑)。

さて、この映画に飽きなかった理由は作品自体が良かったというか自分の志向にあっていたという以外のキーポイントに「会津」があるんです。私事ですが、私は東京生まれの関東育ちなので会津に関係はないのですが、父が西会津の人で物心が付くか付かないかの頃から会津戦争だの白虎隊だの聞いて育ったんです。それをまさかこの歳になって、しかもアニメ映画の登場人物の口から聞こうとは思ってなかったので、時雨の口からその言葉が出たときはちょっと心にくるものがありましたね。しかも今年の正月に会津若松歴史巡り(笑)のようなことをしてきて、鶴ケ城とか白虎隊の資料館とか見てきたんで、ほんとに会津は悲惨な幕末をおくったのだなぁ〜と改めて思ったということもあるんでしょう。

そしてこの映画の登場人物は誰もが一生懸命生きているんだなと思いました。だから何度見ても見る度に良い作品だと思ったのかも知れません。俗に言う「キャラが立っている」というのですね。剣心側の人物は勿論、時雨の側の人物像が秀逸だったと思います。


Tubaki.gif時雨滝魅
元会津藩士で今回の映画の中で起こるエゲレス大使襲撃事件の首謀者です。この人も剣心同様、周りの人々、強いては世の中の事を憂う気持ちは人一倍なのに、それを違う方法で示せなかったのかと悔やまれます(あの状況では仕方ないとは思いますが)。最後は陸軍の銃弾によって命を落とす訳ですが、責任感の強さ・人の上に立てる資質のようなものが悲劇を招いたように思えました。30代で落とすには惜しい命でした。

あと、時雨の家ってかなりの名家か財産家なのかな?って思ったりしました。東京の屋敷も大きかったし、他人の面倒も(金銭面も)みていたようだし。

キャラボイスの井上さんもベテランということもあり、とてもお上手で素敵でした。でも最初の一声は私にはどうしてもサイボーグ009の島村ジョーに聞こえましたね(曝)。

高槻厳達
時雨と同じく会津藩士、またの名を人斬り厳達。時雨の親友で京都にて剣心に斬られて絶命するわけですが、この人の人生もまた激変する時代に飲み込まれてしまった感がありますね。それによって命を落とし無念もあったのでしょうが、それでも最後まで自分を信じて生き抜いた人だと思いました。過去の人で思い出の中だけの出演でしたが、とても象徴的に描かれていたと思います。

そういえばいろんな人の話題の的だったのは厳達の髪型でしたね。どういう風に結い上げているんだ?って喧々囂々でした。私もいまだに分かりませんけどね(笑)。後になって厳達は出突っ張りじゃないからこれくらいめんどい髪型でもいいだろってなことだったらしいと言うことが分かりました。

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高槻朱鷺
厳達の歳の離れた妹さんです。厳達亡き後時雨に引き取られ暮らしています。見た目は普通のきれいなお嬢さんという雰囲気ですが(お料理の腕も薫さんより数段上だと思う)、そこはそれ、やはり明治の女性、時雨が危ないと思った時、危険な場所に躊躇なく飛び込んで行きました。それだけ彼女にとって時雨が大切な人だったんでしょう。時雨が亡くなった後、剣心から兄の厳達を斬ったのは自分だと告白された時、もう少し心の内のようなものを見せてくれるとよかったなって思いました。

最後に時雨の遺骨を持って旅立つんですが、そのとき剣心達に「皆さんがどんな思いで幕末を生き抜いたか子供達に話してあげたい」って言うのを聞いたとき、あぁ、この人は強い日本の母になるだろうなって思いました。

田母野鋭敏
この人の上昇志向って嫌いじゃないです。どんな事しても欲しいものは手に入れるっていうのはね。このくらいのベタベタの敵役って良いですよ。だた最後の満身創痍でいる時雨に向かっての一斉砲火は勘弁でした。剣心が切れるのも分かるわ。そういえばその時剣心が田母野に斬りかかるんですけど、逆刃刀を返したかと思ってちょっとびっくりしちゃいました。


剣心&抜刀斎
何が良かったって抜刀斎が見れたこと、私にとっては今回の映画の一番の収穫でした。重要な(当然だ)会議の場だからなのでしょうけど、羽織・袴で戦う抜刀斎が見れただけでも映画行った甲斐があったというものです。演出も凝っていて月夜・竹林と渋くて良かったです。

明治の剣心はいつもの感じではありましたけど、やっぱり襲撃場所に佇む姿とかはあの時代(幕末)を駆け抜けてきた人なんだなって思わせてくれるような描き方でよかったと思いました。

相楽左之助
左之もよく動いていたとは思いましたけど・・・・、どうも扱いがちょっと軽かったようにも思いましたね。まあ、そういうキャラなんだから良いと言えば良いんですけど。時雨達が立てこもった上野での左之はおしゃべりに見えちゃいました。一緒にいた剣心がず〜とだんまり決め込んでいたから、どうしても説明役に廻っちゃった感がありましたから。もう少しかっこいい左之も見てみたかったなぁ〜。

神谷 薫
今回の薫さんはちゃんと優しい女の子していたと思いました。弥彦を叩いた時も母のような、姉のような感じでとっても良かったです。変な所で出しゃばらずにね。いくら主要キャラでもやっぱり物語りの中での適材適所はあると思いますから。

明神弥彦
弥彦も良い役貰ってました。武蔵野さんの遺体を見つけた時の号泣は胸が痛みました。こう云うこと経験して成長して行くんだなと思いました。


主題歌 OP「虹」 ED「永遠の未来」
OP
はあの幕末には似合うと思いますが、導入部の蒸気機関車の場面にはちょっと暗すぎるような気がしました。全体の雰囲気にはあっていたかな?曲は好きですよ。

EDは思っていたよりとてもよかったです。私、映画見る前に買い込んで聞いていたんですが、その時は歌詞の意味があんなに映画に寄り添っているんて分かりませんでした。映画を見終わってあの歌詞の意味がようやく分かったという・・・・。

アルバム情報 映画のサウンドトラックも出ています。曲名しか書いてありませんが、“アルバム情報”の文字をクリックすると出てきます。


あぁ〜 なんて真っ当な感想・・・・。ホントはあ〜んな事やこ〜んな事とか?考えたりしましたが、良い映画には真面目な感想をと言うことで(落涙)
●で、真っ当じゃない戯れ言(大バカ)感想はここをクリックしてみて下さい。

隅をつつけば色々ありますが、やっぱり鑑賞に堪える良い映画だったと思います。
最後になりましたが、今回の映画、初日の初回、落日の最終回を見たんです。初めて舞台挨拶まで見ました。もうこんな見方をする映画はないでしょう。自分でもほんと良くやると思いました。
ビデオ(LD)も発売されましたので、これからは嫌ってほど見れますね。ちなみにビデオはレンタルもされているそうです。



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